参加予定です。

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【お知らせ】11月4日 (水) 北原白秋 朗読会

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参加予定です。

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ここに北原白秋『金魚』を、現代仮名遣い・ルビ入りで記しておきます。
参考にしたい方はどうぞ。

その下には、私なりの解釈を記します。
ご興味のある方はご覧下さい。

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北原白秋『金魚』

母さん、母さん、どこへ行った。
紅(あか)い金魚と遊びましょう。

母さん、帰らぬ、さびしいな。
金魚を一匹突き殺す。

まだまだ、帰らぬ、悔しいな。
金魚を二匹締め殺す。

なぜなぜ帰らぬ、ひもじいな。
金魚を三匹捻(ね)じ殺す。

涙がこぼれる、日が暮れる。
紅(あか)い金魚も死ぬ死ぬ。

母さん、怖いよ、眼(め)が光る。
ピカピカ、金魚の眼(め)が光る。

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なぜか帰らぬ母を待ち侘(わ)びる子が、
まともに食事もできず、空腹に耐えかねる。
そこで、金魚を一匹、二匹、三匹…と
殺して食べていく。

母への思慕(しぼ)の念がつのり、涙を流す。
日が暮れると、一層、寂しさが増す。

まだ生き残った金魚や殺した金魚の目が、
ピカピカ光って見えるのが怖い。
母に早く帰ってきてもらいたい。
金魚を全部殺してしまう前に。

金魚を殺す時、食べるためだけではなく、
湧き上がるどうしようもない気持ちを同時に殺している。
ほんの少しだけでも。

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